事務所は仕事をする上では、邪魔も無く快適と言える。
集中している時は、モニタ以外は認識できないほどに入り込む事ができる。
それはそれで、自宅兼事務所から移ってきた意味があると思える。
ただ、
どんな時も一人でいるので、孤独を感じる瞬間が圧倒的に増えた。
一人でいることにはある程度慣れているつもりだったが、知らない間に降り積もっているホコリのように、精神的に無視できない所まで。
僕なんかよりも、よほど長い時間を一人で耐えている人がいる。
苦痛に耐えながら、それでも笑顔を忘れずに過ごしている人も。
そんな人が読んだら怒りだしそうだけど、
この季節はなんだか、寂しい気分で心の中がいっぱいになる。
クリスマスだからじゃない。
なんだろう、年末年始のこの雰囲気。
親しい人達が集まって、今年はどうだったとか、来年はこうしたいとか話し合う季節だなと。
小さい頃、家族で食事したり、初詣に出かけたりした楽しい記憶が蘇るのかな。
そうそう、そういえば忘年会とかのシーズンだよなー。
と思って、20年来の友人達に忘年会やろうよってメールしたんだけど、誰からも返事無い。
26日の週でどう?ってメールしたけど、返事は無い。
中学生かよと思うが、結構な疎外感を感じるな。
何だろう、僕の知らない間に、どんどん忘れ去られていって。
僕の気づかない間に、友人とか、大切な友達とか離れていってるんだろうか。
普段、仕事を頂いているクライアントに久しぶりに会った。
まぁ向こうとしては僕など、単なる外注に過ぎないのだが、久しぶりにお会いしたと言うのに、気の効いた事の一つも言えない自分。
久しぶりに自分が嫌になった。
帰り道、ため息しか出ない。
別に何か失敗して怒られたとかじゃない。
仕事を失ったわけでもない。
ただ、取引先の人たちに冗談の一つも言えない自分が、心底嫌になる。
社交性の欠如。
そして、申し訳ないという気分でいっぱいになる。
これはひょっとして「ゆとり」というヤツか。
俺は「ゆとり」だったのか。
打たれ弱いという、あの「ゆとり」。
夕暮れの中、バスに乗って帰った。
何だか、無性に帰りたくなった。
あの頃に帰りたいなぁ。
生まれて、育ったあの場所に。
みんなどうしてるんだろう。
それぞれ、僕のような孤独など感じずに、楽しく過ごしているのかな。
とここまで書いて仕事の依頼。
孤独など忘れてとりかかる。
幸いにもメッセで会話しながらの作業。
一人で仕事してたって、孤独なだけで孤立しているわけじゃない。
メールの返事が無くても、会話の空気が寒くても、まぁ明日になればきっと忘れてしまうだろう。
懲りずにまた誘えばいいのかも。
気にせず会話すればいいのかも。
いやしかし、何だか飲んで騒ぎたいんだよ。
カラオケはしごしたいんだ。
夜中まで飲み歩きたい。
声が枯れるまで下らない話をして笑い転げたい。
独りじゃできないんだよな。