藤井聡氏の救国のレジリエンス 「列島強靱化」でGDP900兆円の日本が生まれる
を読んでびっくりしたんだが、昨今ニュースなどでも騒がれる様になった西日本大震災の発生確率というのは、確率的には75%とかで、もうこれはM8クラスの地震は今後10年以内には確実に来るだろうというレベルらしい。
過去2000年間に起こった東日本大震災と連動している西日本大震災と関東大震災
東日本大震災 | 西日本大震災 | 関東大震災 | |||
---|---|---|---|---|---|
貞観地震 (M8.3-8.6) 869年 |
→ | 仁和地震 (M8.0-8.3) 東海・東南海 887年 |
18年後 | 相模・武蔵地震 (M7.4) 878年 |
9年後 |
慶長三陸地震 (M8.1) 1611年 |
→ | 慶長大地震 (M7.9-8.0) 東海・東南海・南海 1605年 |
6年前 | 慶長江戸地震 (M6.5) 1615年 |
4年後 |
明治三陸地震 (M8.2-8.5) 1896年 |
→ | – | – | 明治東京地震 (M7.0) 1894年 |
2年前 |
昭和三陸地震 (M8.2-8.5) 1933年 |
→ | 昭和東南海・南海地震 (M7.9-8.0) 1944-46年 |
11年後 | 関東大震災 (M7.9) 1923年 |
10年前 |
(藤井聡:列島強靱化論―日本復活5カ年計画 (文春新書)より)
2000年間に4回だけとはいえ、そのうちの3回もが明らかに連動している事が分かる。
と言うことは今回(2011年)の東日本大震災についても、ほぼ間違いなく今後何年後かというレベルで、連動する西日本・関東の巨大地震がやってくるというのは、頭に入れておくというのが常識的且つ一般的日本人としての行動だと思われます。
まぁ具体的には万が一に備えてテレビや新聞などで警鐘を鳴らしているような防災対策はやっておきましょうという事です。
という訳で、屋根裏倉庫に水やら食料やらガスボンベとか、とりあえず置いておこうと。
あとトイレとかも大変な事になるという話を聞いたので、備蓄しておこうかなと。
たんこさんが言ってたがセルフアフィリも馬鹿にならないという事なので早速実行だ。
さてamazonリンク貼ったので、後はブツブツと呟きますよ。
間違っても論戦とか挑んでこないように!w
更に、以前に発生した巨大地震と比較して今後発生する巨大地震を取り巻く環境というのは、明らかに異なっていて、東京・名古屋・大阪という3つの都市に人口のみならず、行政や経済や国家機能のほとんどが集中してしまっているとの事。
これらの都市はなぜか太平洋側のまさに地震多発地域に位置していて、更に東京については富士山が噴火した場合の風下に位置するという、もし噴火したらひとたまりもない位置にある。
なので、藤井教授は列島強靭化という都市機能の分散による国家・経済構造の冗長化を説いているわけだが、もうそこには「利便性」がどーだとか「都市開発予算」がどーだとか、そんなもん今のままでもし地震が来たらその何倍もの損害が出るんだぜ?そんな事言っている場合じゃねーんだぜ?と、上記の統計を元に仰っているわけです。
また、戦後の高度成長期に整備されたインフラは既に更新の時期に来ていて、そもそも地震がどうのという以前に使えなくなっている橋だとか道路が増えているので国が率先して投資して再生させなければならないのだが、それに伴い昨今の消費税増税・TPPについても怒り爆発という感じで、歴史的・常識的・人道的・経済学的その他どう考えても
デフレ化の状況で行うべき経済政策ではない
と断言しています。
これは京都大学の准教授であり、藤井教授の弟子的存在?の中野剛志氏や経済評論家の三橋貴明氏、上念司氏も同じ事を言っていて、この問題は突き詰めて考えていくと単に消費税増税・TPPという2つの経済的な問題ではなく、日本人の歴史や慣習、考え方など広範囲な問題を内包している事が分かってくる。
いろいろ私も本読んだりして勉強したが、いやー経済って知らない事だらけでした無知でした。
一応、人並みに新聞とか読んできたつもりだが、まさにその新聞を書いている記者が経済を分かっていない事が分かった。
分かっていない記者が堂々と大手新聞社の歴史ある看板を背負って記事を書くものだから、他からの情報ソースが無い国民は簡単にそれを信じてしまう。
まさに戦前戦後区別なく国民の情報取得方法はほぼ新聞とテレビというマスコミからのものだったので、もういいようにやられていたのだ。
私は南京大虐殺やら従軍慰安婦やらで散々朝日新聞とか批判的だったのに、経済面は大丈夫だろうという思い込みで信頼しきって読んでいた。
こうなると新聞とかどこを信頼して読めば良いのか分からなくなってくる。それほど酷い。
中でも三橋貴明氏はマスコミの報道・解説方法について怒っていて、経済について説明する際に、その説明で用いる言葉の定義を行わないという事を述べている。
端的には以下のような用語だ。
- 財政破綻
- 国民一人あたりの借金
- グローバル化
- 貿易自由化
- ハイパーインフレ
- 国債暴落(日本のね)
まだまだあるが、特に「財政破綻」、「国民一人あたりの借金」というのが個人的に一番ひどいと思った。
新聞やニュースに頻繁に出てくる単語だが果たしてこの、日本における「財政破綻」って、一体なに?という事だ。
この単語の定義を明確にせず、財政破綻ありきで日本経済の展開を予想するもんだから、それに引きずられて「国債暴落」とか「金利上昇」だとか「ハイパーインフレ」だとかの、財政破綻論者にとって都合のよい単語が当たり前のように導き出されてくる。
財政破綻というのは、簡単に言うと「借金が返せないよ、もう破産です。」という風に政府がバンザイしてしまう状況の事だと思うんですが、多くのメディアは日本がこのままだとギリシャのようになると言う。(最近はさすがに言わなくなったけど)
ギリシャと日本では通貨発行の仕組みが異なるし、国債の発行方法も異なる。
そのため、日本の場合は破綻しようにも相当頑張って無理して意図的にその方向に持って行かないとできない構造になっている。
■ギリシャ:
EUに加盟したためユーロの発行権は無し。国債はユーロ建てでしかも国外から買われている。
■日本:
日本銀行の裁量で通貨の発行が可能。国債はほぼ日本国内で購入され自国通貨建て。
単純に考えると、日本の場合は国債による借金が増えても日銀による引受または通貨発行で返済できる。
結論から書くと、デフレ化でデフレギャップを埋めるために行うべき政策は以下。
政府が国債を売る
→売ったお金を公共事業または需要促進策などの経費に使い、民間の需要を創出する
→日銀が国債を(国民から)買い取る
→市中に通貨が供給されるので政府の発注した公共事業などへの設備投資が促進される
→増加した需要を追う形で供給が増加し、最終的にGDP増加。それによる税収増。
この半年、本読んでyoutubeで参議院の公聴会とか経済評論家だとか学者の講演とか見まくって、どうやらこれが正しいみたいという認識に至ったのだ。
中でもこの参議院予算委員会公聴会での論説は圧倒的だった。
上記のサイクルがデフレ化での普通の経済政策なんだが、問題は橋本政権以降から続く新自由主義的な風潮による緊縮財政によって、公共投資が激減し続けていること。
インフレを抑制するための新自由主義的な経済政策がなぜデフレ化で継続されているのかというのも、学会や政界、財界至るところに信者がいて、過去の成功体験から脱却できない体質があるというのもいろいろな人が指摘している所だが、問題はやはりレジームの切り替えができないという部分だろう。
中野剛志氏が的確にまとめたレジームの表があったので掲載しておく。
インフレ期(1970~1980年代の英米) | デフレ期(世界恐慌期の日米、平成不況、現在の日本) | |
---|---|---|
問題 | インフレ:需要>供給 | デフレ:需要<供給 |
採用するべき政策レジーム | デフレ・レジーム | インフレ・レジーム |
解決の方向 | 需要抑制/供給増大 | 需要増大/供給抑制 |
具体的な政策 | 【需要抑制】緊縮財政政府支出カット
増税 行政改革、民営化、「小さな政府」へ 地方分権(地方財政の自主) 金融引き締め 【供給増大】 生産性の向上 規制緩和 競争促進 非効率部門の淘汰 労働市場の流動化 貿易自由化、グローバル化の促進 外需主導の成長 |
【需要増大】積極財政公共投資拡大
減税(ただし、法人税減税は無意味) 公的雇用の拡大、「大きな政府」へ 中央集権(全国レベルの経済政策) 金融緩和 【供給抑制】 雇用の安定化 規制強化、協調重視 企業の合併・統合 労働者保護、社会の安定重視 貿易管理(保護主義も可)、グローバル化の制御 内需主導の成長 |
事例 | サッチャリズムレーガノミクス(構造改革はインフレ対策) | 高橋是清財政ニューディール政策小渕政権・麻生政権の財政出動 |
政治と経済の関係 | 非政治化規律による経済運営 | 政治化裁量による経済運営 |
資本主義の形 | 金融資本主義 | 民主資本主義 |
[wikipediaより抜粋]
政府が国債を売ってお金を借りるというのは、基本的に非常事態なわけです。
つまり、戦時国債など大量の資金が必要となる場合や国家・国土が大きなダメージを受けた場合に復興国債として大量にお金を使う必要がある場合です。
バブル崩壊で経済が失速してデフレに突入する場面でも同様で、政府は公共投資を増やして需要を喚起し、デフレを止めなければならない。また、現在は東北の復興という大きな需要があるわけです。
一時的に大量の国債を発行する事が、あたかも巨額の借金だけが残るような言い方をする人がいるけど、公共投資など形に残るものに対して投資を行う事は、現在を生きている日本人のためだけではなく、将来その投資によって形成されたインフラなどを利用する世代にとっても資産となり便益を得る事ができるわけです。
そのため、「将来世代に負債を残したくない」という言い方をする人(某新聞の社説とか)がいるけど、逆に「将来世代も利益を享受する投資なのに、なぜ現役世代でその借金を全て返済しなければならないのか?」という事が言えると思います。→課税平準化
デフレになって物価が下がって庶民は喜んだとか言っている場合ではないわけです。ましてや現在の日銀総裁のように国民が頑張らないからデフレのままなんだとか、どこまで日本国民を愚弄しているのかという感じです。
政府が国債を売ってお金を調達するからには、必ず何か目的があって使うわけです。
まさか銀行にプールしておくわけじゃありません。
デフレの場合は国債を発行して調達した資金を元に公共投資などにお金を使い、冷えた景気を温め、需要と供給の差である「デフレギャップ」を埋める必要があるわけです。
これを財政出動とか言います。
※ちなみに、上記は需要を伸ばして供給能力に近づけようという方法だが、その逆の「供給を減らしてデフレギャップを埋めよう」と考えた人もいた。結果、思惑とは反対に減らした供給と共に需要も減り続け、デフレが悪化しGDPが激減したという歴史あり。→フーバー大統領
政府がいくら公共投資を増やしても、それを受注する民間にお金が無ければ仕事を受けるための資金や新たな投資を行うための資金が足りません。
なので、財政出動だけではダメで、それと連動して日銀が民間に資金を供給する必要があるわけです。この供給は日銀にしかできないからです。これを金融緩和とか言います。
つまり、よく言われている「財政出動と金融緩和のパッケージ」というやつです。
これをやるとどうなるかというと、中学生でも分かりますが政府の借金が増えます。
そこで財政破綻論者は「ほら見たことか」と批判するわけですが、政府の借金が増えるというのは、別にそんなに特殊な事ではないしどちらかと言うと世界的歴史的にも借金のない状況の方が稀なのではと思います。というか稀です。
借金には悪いイメージがあるというのは共通している事だが、それはなぜかというと、人間の一生には限りがあり、住宅ローンが良い例だが一応建前的には死ぬまでには返済しなければならないという前提で銀行からお金を借りるわけです。そのため、返済不可能な巨額の借金というのは「死ぬまで働いても返せない額」というのが暗黙の基準として存在しているんだが、国・国家というのは基本的に寿命は無く、根本的に借りたお金を永久に払い続けるという事が可能なわけだ。
国債発行によって一時的に借金は増えますが民間に供給したお金は景気が回復してデフレからインフレに移行する事によって税金の増収という形で政府に戻ってきます。景気が良くなれば法人税や所得税収入が増えるというのは誰でも分かると思います。
また、インフレというのは物価が上昇してお金の価値が減っていく事なので、単純に考えると借金の返済が年々楽になるのです。
しかし、日本だけはバブル崩壊後に公共投資を削り続けて民間の景気を冷やし続け、さらに消費税増税でとどめを刺そうとしています。
なので、私は消費税増税に反対です。決して増税そのものに反対しているわけではなく、繰り返すが
デフレで仕事も無い、将来も暗い中で追い打ちかけてどうすんの。
あと、増税しないと破綻するという人がいますが、年金や社会福祉費というのは今後ずーっと上昇していくと言われています。
その反面で、消費税にかぎらず税金を増税するというのは限度があります。高齢者や失業者が増えて私から所得税を毎年1億円取らないと間に合わないと言われてもそんな稼ぎはありません。
なのに、どうやって今後も増税で賄うと言うのでしょうか。マジで理解に苦しむのです。なので増え続ける社会保障費を支えるには経済成長しか無いと思うのです。
経済が成長すれば失業率が減り、所得も向上し、そうなれば未来への希望を持つことができて少子化が改善されるかも知れないし、そうなれば社会保障費も現役世代で賄えるようになるでしょう。
あと、少子化によって今後日本の経済成長は無理という人もいますが、少子化が進むドイツやロシアはちゃんと経済成長しています。少子化によって経済成長しないというのは根拠が無い妄想と言えます。
こういう事を考えると「財政破綻」という単語ひとつ取っても、ノストラダムスの大予言を真面目に恐れていたあの頃を思い出すような気分にさせてくれる非常に馬鹿馬鹿しい話だと思えてくるわけです。
あとは「国民一人あたりの借金がー…」というヤツです。
これは私も完全に騙されていました。読売新聞の手口に完敗です。
上記でも書きましたが、日本の場合は国債を購入しているのは日本の銀行や基金・国民など、ほとんどが日本国内で購入されています。
そして、ドルでもユーロでもなく日本円で買われているのです。
と言うことは、政府が国債発行によって借金している先というのは、日本国民なわけです。
なのになぜ新聞は「国民一人あたりの借金」という言い方をするのでしょうか。
正確には「国民一人あたりの債権」もしくは「国民が政府に貸しているお金」というのが正確ではないかと思うわけです。
というわけで、日本人は赤ん坊から老人まで一人あたり数百万円のお金を政府に貸し付けているという、とんでもない富裕国家という事になります。
実際、政府の借金は1400兆円とか言われてるけど、外国へお金を貸したり借りたりもしています。
対外資産から負債を引いた対外純資産は約250兆円。(世界最大)
さらに20年間もデフレを継続中であるにもかかわらずGDPは500兆円と言われています。
新聞の大好きな家計に例えると年収500万円のおとーさんが家族から合計1400万円の借金をしていて、近所の人たちに貸しているお金が差し引き250万円ほどあるとでも言えばいいのだろうか。
普通に考えて「この家族(父親以外)はどんだけ金持ってんだよ…。」と思うわけです。少なくとも私はそう思います。
次に小泉政権から何となく正しいのではないかと思われている事に「経済のグローバル化」とか「貿易自由化の推進」というのがあります。
なんとなく言葉の響きは経済成長を促しそうな、企業が儲かりそうな感じがします。
実際にグローバル化によって収益を上げた企業も沢山あると思います。
その施策の究極と言われているのがTPPなわけです。
貿易の自由化を極限まで押し進め、関税の完全な撤廃と非関税障壁の撤廃で自由にやりとりできるようにすればもっと貿易が活発になってお互いハッピーになれるぜ!って感じです。
ただこれも「経済のグローバル化で儲かったのは果たして誰なのか?」と考えると、それほどハッピーな状況でもないという事が知られています。
グローバル化の象徴であるTPP。
「第三の開国」とか菅首相がAPECでぶちまけて以来の騒動ですが、こんだけ平均関税率の低い日本がなんで「閉じている」と思うのか、本当にイメージ操作、知っていて言っているのか本当に無知なのか。→主要国の関税率(グラフ書くの面倒なのでググってくれれば一目瞭然)
財界を中心に賛成論者が多いTPPですが、しかしこれも大きく2つの疑問が湧いてきます。
- ISD条項による弊害・損害
- 関税撤廃による国内経済への影響
ISD条項は要するに、TPP加盟国間で経済的な紛争が起きた場合は裁判で決着するよ。その際に国内法よりもTPPの条約が優先されるよ。という事です。
国内法よりも条約が優先されるのは常識だが、その破壊力を理解していない人が沢山いる。
また、これを盾に規制の撤廃を進めようとする人もいる。
なぜ規制があるのか、なぜ経済の足枷になると分かっているのに国内法で規制されているのかが理解できていない。
規制を作る事によって既得権益を得ようとする役人がーとかばかり言う人がいるが、実際に自分がどれだけその規制によって国家から守られた存在なのかを知らないだけではないかと思われる。それほど規制は沢山あり日常生活を安全に送るのを守っているわけだ。
しかしこのISDSはそういう国家における防御壁とも言える規制や関税などの主権を譲り渡せと言うわけです。
「お前の家や家族のルールはみんなで決めるから。破ったらペナルティな。とりあえずいつでも玄関と窓の鍵は開けておけ。」と言われているのと同じです。ふざけんなって感じです。
実際、米韓FTAではこの条項が含まれていると知った国民が大激怒して発効が先延ばしになるという事態になりました。
世界的にもアメリカによるISD条項の売り込みはことごとく門前払いされていて、それはカナダやメキシコが痛い目に会ったのを知っているからです。なぜ日本はそれを知っていて参加しようとするのか?
関税の撤廃というのも新聞ではお花畑というかなんというか、物価が下がって海外のものが安く手に入るとか?逆に輸出競争力が強まるとか?それだけで済むのなら賛成しますけど、今ってデフレなんですよね。このご時世でそれやったら明らかにデフレが進行するような気がするんですよね。
そう考えると、自由化とかグローバル化という供給を伸ばす政策というのは、インフレ期に行うものであって、デフレ期に行うものではないという事になる。
前述の中野剛志准教授が書いた「レジームチェンジ」という本を読んだが、まさにそれで、インフレ期とデフレ期での経済政策は根本から逆転しているので、インフレ期に成功したレジーム(体制)を、そのまま行おうとするのは愚の骨頂なわけです。
戦後の高度成長期で培った成功体験から脱却できず、悪しき踏襲がもう20年も続いているわけですね。
あと、アメリカの大統領が世界的に宣言してるんだが、「TPPによって輸出を倍増する」と言っているわけです。
アメリカの輸出が倍増するという事は、言い方を変えると「TPP参加国に今までの倍買わせる」という事です。
当然、買う方の国の需要がTPPによって単純に増えるわけじゃありません。と言うことはその国の需要を今までの倍奪いますと言っているに等しいわけです。
今まで国内製もしくは他の外国製の商品を買っていたのを、アメリカ製の商品に差し替えて買わせるということです。
当然、今まで販売できていた国内の企業や海外の企業は減収となります。これの何がハッピーなんでしょうか?
また、TPP参加国には中国や韓国などは入る予定はありません。と言うことは経済規模的に考えるとTPPというのは実質的に日米FTAだというのはよく知られている所です。→これもグラフ書くのがめんど…(ry TPP参加国のGDPシェア
つまり、アメリカが輸出を倍増させると言っている相手はほぼほぼ日本なわけです。なんというか「餌食」って感じです。
日本が輸出する場合はどうなのか。本当にTPPによって輸出競争力が強まるのか。
日本の貿易を考える上での大きな誤解が2つあります。
- 日本は外需依存である
- 日本は関税が高すぎる
まず日本のGDPにおける外需と内需の内訳を見ると、圧倒的に内需が大きい事が分かります。
※対GDP比で外需は15%くらい
ただ、外需によって内需の一部が支えられているという部分もあるので、一概には低いと言えません。
また、資源国ではないので外貨獲得のためにも「内需のみでOK」とかいう極論は論外とも思います。
ただ、「だから外需を伸ばさなければならない」とか「自由貿易を推進せよ」というのはどうかと思うのです。
そもそも国内の経済が不安定だから海外に市場を求めるというのは、要するに「俺の商品、国内じゃもう売れないんだよ、お前の所で買ってくれよ。なに?自前で用意しているからいらない?しかも作っている人が失業するかも?そんなもん知らねーよ買う人は品質が良ければどこの国の製品だろうと気にしないんだから。なに?それほど高品質でもない?うるせーなお前の国の規制が厳しすぎるからだろうが、そんなもん撤廃しろや!どうせなら規制だけじゃなく関税や非関税障壁とかも撤廃するルール作って自由に売り買いできるようにしようぜ、その方がお互い売り買いしやすくなって便利だろ?ガハハ!」という感じですかね。
アメリカのスーパージャイアンと日本ののび太という感じだ。
しかも、日本の平均関税率は世界的にも最低レベルというのは前述したとおりで、今更感が満載なんだが、一部の輸出依存な大企業を中心とした勢力はもう国内の産業がどうなろうが知ったこっちゃなく、脳内は「自分の利益=日本の利益」と錯覚してしまっているようです。
どんな問題でもそうなんだが、なぜこんな間違いだらけの問題が引き起こされるのか?というのはいつも思う事だ。
南京大虐殺も従軍慰安婦問題も、結局は中国や韓国が自ら取り上げたのではなく、自虐史観に囚われた日本人が自ら引き起こした問題だと言うことは今では周知となった。
今回もそういう匂いがする。それはフジテレビで中野剛志氏が暴れたのを見た時から感じていた空気感だ。
とりあえず謝っておいてお金渡しておけば許してくれるだろう黙るだろう。その後仲良くすれば良い。と考えて土下座しまくった日本人。
緊縮財政という名の、家計における「節約」とは次元が異なる行動に拍手を送った小泉政権時代の日本人。
明らかにバラマキで、マニフェストに書かれた事はほとんど実行不可能が明らかだったにも関わらず「とりあえずやらせてみよう。ダメでもともと。」という甘ったれた認識で民主党に投票した日本人。
こんな風に偉そうに批判しているが全て我々日本人の勉強不足と認識の甘さが引き起こした問題ばかりである。
もう本当にいい加減にしたいです。
消費税増税やTPPの問題を見聞きし考えるたびに、つくづくそう思ってしまうのです。
参考書籍:
レジーム・チェンジ―恐慌を突破する逆転の発想 (NHK出版新書 373)
全国民必読 経済ニュースのウソを見抜け!
救国のレジリエンス 「列島強靱化」でGDP900兆円の日本が生まれる
歴代総理の経済政策力 グランドビジョンを知れば経済がわかる (知的発見!BOOKS)
なぜ正直者は得をするのか―「損」と「得」のジレンマ (幻冬舎新書)
プラグマティズムの作法 ~閉塞感を打ち破る思考の習慣 (生きる技術! 叢書)
コレキヨの恋文
日本人がだまされ続けている税金のカラクリ
日本再生を妨げる 売国経済論の正体
売国奴に告ぐ! いま日本に迫る危機の正体
マスゴミ崩壊~さらばレガシーメディア~
民主党政権で日本経済が危ない!本当の理由
メディアの大罪
自殺する種子―アグロバイオ企業が食を支配する (平凡社新書)
経済と国家がわかる 国民の教養
[図解]三橋貴明の「日本経済」の真実がよくわかる本
日本思想史新論: プラグマティズムからナショナリズムへ (ちくま新書)