2012年、今年もお世話になりました。皆様良いお年を。

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クリスマスは(狙っていたわけじゃないが)シンガポールに行ってきた。

地元で仲が良かった友人夫婦がシンガポールへ転勤となり、それ以来skypeなどで話しながら飲んでたりしてたんだが、冗談のつもりがトントン拍子に行く事になってしまい、あまりスケジュールも立てずにチケットやホテルの手配などを嫁に任せて出発した。

正直、シンガポールという国には興味が無く、観光については期待していなかったが、結果的には楽しかった。

友人夫婦はClementiにあるコンドミニアムに住んでいて、4LDKの豪華なマンションと言った佇まいだった。

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間取りは同じだが、一戸建ての我が家よりも広い。
シンガポールの標準仕様なのか分からないが、シャワールームが2つあり私達家族が寝泊まりしても全く不便は無かった。
居住者用のプールもあり、至れり尽くせりだなと思ったんだけど、住んでいる人にとっては感動も最初だけなんだなと…。

部屋に上がって気になったのが、キッチン奥にある扉の向こうのスペース。
一見、洗濯機があり洗濯物を干すためのスペースだろうかと思ったが、話を聞くとメイドが寝泊まりするためのスペースとの事。

友人夫婦は雇ってはいなかったが、シンガポールでは一般的な存在らしく、同じコンドミニアム内や友人でも雇っている人は沢山いるそうだ。

ただ、日本で言う所の「お手伝いさん」という感じではなく、話をしてくれた友人のバイアスも多少は入っていると思うが、あまり良い印象は受けなかった。

メイドは月に2,3万円程度で雇えるらしく、それほど金額的な抵抗は無いようだ。
※一般的にメイドを雇うような家庭は夫婦共働きでそれなりの収入があり、メイドの存在は女性が出産後も男性と同じように働くというシンガポールの慣習を支えている存在との事。逆にメイド税という税金や紹介機関への報酬の方が高く付くらしい
※月に2,3万円という報酬もメイドの母国においては数ヶ月分以上の収入に匹敵するらしく、搾取されているという感じではない。

ただ、人にもよるのだろうがメイドに対する扱いというのは聞いていてあまり気分の良いものではなく、前述のメイド用の居住スペースを見せてもらって少しショックを受けた。

部屋は外側から鍵がかけられるようになっていて、明らかに懲罰的な意味合いで利用されるとの事。
また、その部屋自体も長方形の2畳程度の広さしか無く、主人のスペースが全室エアコン完備なのに、メイド用の部屋(というかスペース)にはそれらの設備が全くない。
友人夫婦はそこを物置として利用していたが、事情を知らない私のような存在からすれば「ここに寝泊まりできるの?」という感じだ。

トイレは部屋から出た所にあって、それも主人用とは別。
「なぜここにトイレが???」と事情を知らない私のような人間なら必ず思うような場所にある。

メイドの姿は街を歩いていても普通に目にすることができるが、大抵はTシャツにビーサン姿。
主人と思われる人の後ろを荷物を持ったり、ベビーカーを押したり子供の手を引いたりして歩いている。

私は目にしなかったが友人の話によると、子供を抱えつつ、大量の買い物袋を持って主人の後ろをあるくメイドも見かけるようで、大変そうだなと思うが当然のように主人は手ぶらで悠然と歩いているとの事。

また、それだけならまだしも、メイドとのトラブル話も絶えないそうで、酷い話もいろいろ聞いた。
後述するシンガポールの国内事情もあり、それらの凄惨な話やニュースというのはなかなか報道に乗らないようで、経済的に繁栄した都市国家というイメージが先行しているとの事。

そんな話を聞きつつ、昼間からジャンジャン出てくるタイガービールを飲みながらベランダに出る。
日本とは異なり地震があまり無いからか、高層ビルと高層のマンション・コンドミニアムが乱立している光景が目に入る。

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住人は中国系が多いためか、そこかしこの窓から物干し竿が突き出ており、そこに洗濯物が干してある。

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ベランダの柵にもたれかかっていると、あまり信用しない方が良いと言われる。
友人は日本ほどには建築物に対する信用が持てないらしく、実際に高層コンドミニアムの窓ガラスが外れて人もろとも落下したとか、母親の目の前で小さな子どもが落下したとか怖い話を聞かされる。

実際に同じコンドミニアム内でも度々あるらしいので、経済的な繁栄が構造物の精度に比例すると単純に思っていた自分に気付かされた。
※というか、日本の建築基準というのがいかに信頼できるものかという事かね

シンガポールは国土があまり広くなく、遺跡などが無い?ためか、歴史的な観光地というのがあまりなく、マーライオン含め現代になって計画的に作られた観光スポットが多いという印象。
※実際にWikipediaを見ても戦争と占領の記述がほとんど

観光地のうちの一つである、セントーサ島という一大レジャー施設へ向かった。
MRTと呼ばれる電車に乗って行った。
日本におけるSuica、パスモなどのような、カードに一定額をチャージして改札を通るような仕組みが普及していて、バスも同じカードで乗れる。
ただ、ここでも日本てスゲーなぁと思う事があって、改札のセンサー部分の精度が今ひとつ。
日本だと歩く速度そのままに通過する事が可能だが、当地では慣れが必要なのか渋滞が起きるのが普通な感じであった。

電車は日本と同様にあまり待たずに来るので便利だが、混雑も同様で子供連れだとちょっと大変な感じ。
まぁこれは日本においても慣れていないというのもあると思うが。

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商業施設が至る所にあって、日本でもよく見るショッピングモールな感じ。
ただ見ていて思うのが購買意欲の高さ。
人の数もすごいが、店の中でも品定めしている人達が沢山いて、言葉にしずらい熱気を感じます。
6世帯に1世帯が100万ドルの資産を保有するとの事で、何と言うかバブル期までの日本もこんな感じだったのかなぁと。(それは無いか)
ただ、日本とは異なる部分も多くあって、驚くような話もいくつか聞いた。
まずは、クルマの所有について。
日本ではクルマを持つ場合、車両価格と税金・経費・保険の費用を払えば基本的には問題なくクルマを所有して乗り回す事が出来るのに対して、シンガポールでは購入権というのを得る必要があるらしく、カローラ程度のクルマを所有する場合でも1000万円程度のお金が必要となるらしい。
また、都市部への流入についても制限があるらしく、フリーウェイでもホテル周辺でも渋滞はほとんど見られなかった。

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以前に京都大学の藤井教授が書いた都市計画の本の中で、同様の施策について書かれていた部分があったと記憶しているが、実際にシンガポールでは実施されていてそれなりに効果を上げているんだなぁと感慨深かった。
日本は都市部にクルマが多すぎです。

友人夫婦の所有するクルマは会社から借りているものだそうで、自分じゃとてもじゃないが購入できないよと。なるほどなという感じ。

で、メイドの話もあり、シンガポールについて興味を持ったのでホテルに帰ってからWikipediaを見てみたら、いやー興味深い国です。

規制緩和と税制優遇などで経済的な発展を遂げたんだろう、くらいにしか認識が無かったんだが、それが実際にどうやって実現したのかと考えると、なるほどなぁと唸ってしまった。

まずは、政権与党の強大な権力構造。
選挙制度の細かな修正を繰り返して、与党が勝ち続ける構造を構築した結果、実質的には一党独裁の「明るい北朝鮮」とまで言われるような体制が築かれているらしく、その内容は「やっぱり中華系なのか」と思ってしまうような国家レジームとなっているらしい。
メディアについても検閲・報道規制があるらしく、前述したが、なるほど都合の悪いニュースは表に出ないわけだと思った。

これは単純に考えると、日本経済を立て直すには規制緩和や構造改革・公務員削減、一部には道州制などの、所謂「小さな政府」を標榜する新自由主義をあざ笑うような、国家集権的な体制が効率的な経済運営には必要な部分もあるという事を証明しているような感じ。

強権的に政府が施策を決定して実行に移せるならば、スピードも高まり国際的な競争力も比例して高まるかも知れず、経済的にも国民が豊かになる可能性は高まるのかも知れない。
ただ、その場合でも実行しようとする施策自体の正当性は結果を見るまで定かではなく、そのリスクを回避するために議論を行なって吟味熟考するのが本来の民主主義なんだが、日本のメディアや国民は「早く決めて早く実行しろ」と言い、挙げ句の果てには総理自らが「決められる政治」とぬかして民主主義の根幹である議論をすっ飛ばそうと画策する始末だ。

民主主義は民意を集約して議論してから最終的な施策を決定・実行する前提があるため、どうしても時間がかかったり手続きが必要になったりする「コスト」が発生する。
未だ完璧な国家体制・主義を見いだせていない人類にとっては、大衆が主権を持ちつつ国家を運営する上で、支払うべき仕方のないコストなのだが、民主主義を礼賛するくせに決定は早くしろと自分の言っている事に矛盾があるという事を理解していない国民が多すぎる。

また、マニフェストというのも同様で、選挙で公約したからと言ってそれをそのまま実行するだけなら、代議士による制度構築についての議論など必要無いという事になる。官僚だけがいれば良い。
「選挙公約が守られない」⇒だから選挙なんて意味ないし投票しても変わらない。
という人がいるらしいが、公約は選挙時点でのベストと思われる施策を説明しているだけであって、いつから「公約は絶対」という空気になったんだろうと個人的には思う。

ベストな施策や法律は時勢と共に変化するし、公約はあくまでもたたき台として、そこから議論を重ねて実行に移されるものであると考える。

また、一党独裁の国家体制では選挙制度そのものが形骸化してしまいそうだが、シンガポールでは選挙権を持つ人については投票が義務化されており、投票しない場合は罰則があるようだ。軍事についても徴兵制が実施されていて実質的な一党独裁体制にも関わらず対外的には民主的な国家運営を印象づけるため、国民による国家国政に対しての関心は失われないような構造となっているぽい。
何だか彼の国でも見習って欲しいなぁと苦笑してしまった。

あと、一番考えさせられたのが水資源についての状況だった。
シンガポールは国土面積が狭くて、人口に対する水資源・供給能力が足りていないらしく、現在でも隣国のマレーシアからパイプラインを通して購入しているらしい。
マレーシアとの関係が良好ならば、今のところは問題が無さそうだが、実際にはそうでもないようで将来的な値上げを通告されている状況のようだ。そのため日本などからろ過技術を購入・開発している最中で、将来的には自国内での供給を目指しているようです。

何だか日本の原発問題を彷彿とさせる内容である。

個人的には原発政策については脱原発でも卒原発でもなく、安全性を確保しながら稼働を続けて、将来的な全廃を目指すべきだと思ってます。
但し、あくまでも原子力に代替するような自前のエネルギー供給が可能になった時点でという前提でだ。今だとメタンハイドレートなのかな。
地震大国である日本において事故発生時のリスクが大きすぎるという理由で「すぐに稼働を止めるべきだ」という意見を聞く度に、エネルギー安全保障の問題についての解決策を聞きたくなります。

原発だってウランを購入しているのでエネルギー安全保障の観点からすれば原油購入と同じだという意見もあるようですが、原油とウランではエネルギー効率が桁違いであり、それは輸送方法についての安全性という観点から単純な比較はできない。
※タンカー一杯の原油がトラック2台分のウランと同等のエネルギー効率との事

また、購入先の国についてもウランの購入先であるスイスやフランスなどと違って、産油国である中東は購入リスクが大きいというのは小学生でも分かると思われる。
まぁ、「安全なら東京に原発作れ」とか「福島の人は故郷を奪われて可哀想」とか、何だかなぁと。
回りまわって結局自分の事しか考えてねぇなと思ってしまう。

シンガポールは経済発展が著しいが、上記のような事を考えていると、この先はどうなるか楽しみであり決して安泰でも無いのだなと思ったのでした。

で、ショッピングモールに戻るが、レストランなんかは日本と同じような雰囲気。
中華の店で乾杯しつつ、昼飯でした。
味的にはまぁ普通。チェーン店だったからか特に不味くもなく特別でもなく…。

シンガポールで何か美味いものはと聞くと、チキンライスとの事。
日本のチキンライスとは異なり、炒めたご飯と蒸すか焼いた鶏肉を一つの更に盛ったもので、後日食べたが、まぁ特別に美味いという感じではなかった。

シンガポール内ではホーカーズとかいう露天ぽい店が並んでいる所があって、若干怪しい感じもするが、ここぞシンガポールグルメという趣。
で、見ると店先に「B」とか「C」とかのプレートがあるので何かと聞いてみると、衛生レベルだかの指標らしく、国レベルで定めて提示しているとの事。
露天の店はほとんどが「B」で、この指標は料理の味を保証するものではないためか「C」の店でも行列ができていたりと、よく分からない感じだった。

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ちなみに、子供達が好きなコーラはほぼ無くて代わりにペプシが一般的にメニューに載っているようです。
あと、ココア味で子供に人気のMILOは「マイロ」と発音するとの事。

ひとしきりビールで乾杯した後は、出来たばかりという水族館に行ってきた。

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シンガポールは昔から海洋上の貿易拠点として発達してきたらしく、貿易に関連した歴史的資料などが展示してあった。
結構な人気スポットで、西洋人も多くて入るのに結構並びました。

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まぁしかし…、ここまで来て見るものだろうかという感じは否めず…シンガポールの皆様には大変失礼かとは思うのですが…。

水族館は今夏沖縄の美ら海水族館に行ってきた事もあり、どんだけデカイかと期待大で向かったのだが、物理的な水槽の大きさと感動とは比例しない事が判明。
なぜかと言うと、水槽の中の魚が美ら海水族館のものと比較して小さいのだ。
そのために、感覚的な大きさは美ら海水族館の方が大きく感じるという…。

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今後、この水槽に更に巨大な魚が投入される事を期待しつつ後にしたのでした。

で、散々歩きまくったのでMRTで帰る気力はなく、タクシーで帰る事に。
こちらではMRT、バス、タクシーと交通機関が存在するが、どれもリーズナブル。

タクシーの車体には広告が満載で、たまーにベンツなどの高級車が異なる雰囲気で走っている。タクシー乗り場で嫁と順番を待っている間に「あのタクシーに当たるといいねー。」なんて話していたら、やっぱりというか料金が割高らしく、素直に普通車のタクシーに乗りました。

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友人のコンドミニアムに帰った後は、みんなでクリスマスパーティーでした。
ピザとチキンとケーキをたらふく食べて飲んで、死んだように眠りました…。

翌日はOchardという都会に繰り出した。
高島屋や伊勢丹などの巨大なビルがあり、クリスマスの飾り付けも相まって華やかな商業都市といった趣でした。

日本で言うと銀座みたいな感じだろうか。

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ここでも散々歩き回ったけど、特に買いたいもの等は見つからず、結局地下にあるフードコートでチキンライス食べた。
他にも美味しそうなモノは沢山あったが、基本は中華。
とりあえず撮った画像をアプしておく。

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で、これが名物的なチキンライス。
ご飯は美味かったが、チキンは…冷めてて血がついててイマイチ。

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食事の後はチャイナタウンへ。
靴やお土産が安いというので行ったんだが、その通りでしたw
Ochardとは違う活気があって、雑多な感じが良かった。
Ochardが銀座ならチャイナタウンは下北とか高円寺的な感じだろうか。いや上野のアメ横だな。

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ここでもタイガービールを飲みまくり、酔っ払って散策した。

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娘がお土産にキーホルダーとかブレスレット的なものを買っていた。友人夫婦の子供が時計を買ってきたが、遠目には私の時計と変わらぬ見た目で大笑い。ちゃんと時計として動いていて、これが3個で$10(約700円)。

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もうビールでお腹いっぱいだったんだが、飲茶専門店で食事。ここでもビール。
いろいろ食べましたが、特筆する味ではありませんでした。
ここは白人が多かった。観光客だと思われる。
やはり商業地よりもこういう所に来たくなるのは同じだなと。

全般的に感じたのは、やっぱり日本はいいなぁという事。
サービスやら雰囲気、食事の味に至るまで世界最高なんじゃないかと。

日本に帰ってきて、成田からの高速を走っている時にPAでトイレに入ったら手を洗う水が温水だった。
子供専用の個室もあるし、海外ではサービス過多とも言えそうなくらいに快適さが追求されていると感じた。

シンガポール最後の夜は、友人夫婦の友人も加えて食事へ。
タクシーで連れて行かれたので、場所がどこだか分からずw
ただ、摩天楼がそびえ立つビジネス街の中にあるオアシス的な場所で、ロケーション・雰囲気共に最高でした。
日本で言うと横浜桜木町的な感じだろうか。

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朝まで飲んでいたい気分だったが、帰りの飛行機が深夜発だったので、そこそこでお開きに。
日本に帰ってきて空港から出たら、まるで冷蔵庫の中のような気温だ。
あーあぁ、いつもそうだが母国に帰ってきた安心感と、快適な気候の旅先に戻りたいというジレンマがまた。

今度行くときはセントーサ島のカジノとか行ってみたい。
来年もまた行けるとイイが。どうなる事やら。

【総括的な】
今年は仕事的にも家庭的にも順調で、ここ数年で一番快適な一年だった。
※途中、すっ転んで骨折とかしたけど

来年はどうなるかなぁ、安倍政権で経済政策が成功して株価上がってバブル崩壊以来の景気大復活の兆しとかが見えるだろうか。
それに伴って会社も少しは大きくなればと思います。

とにかく、年も年だし健康第一で仕事が出来ればそれが一番だと思います。
あと、このシンガポール行きでも5月に行ったロスでも痛感したんだが簡単な英会話は不安無くできるようになりたいなぁと思った。
とりあえず覚えた(思い出した)のは「Would you ~」と「Could you ~」と「already」だったw

と、長々と書いていたら年越していた。
とりあえず今年も宜しくお願い致します。

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