家族で本屋をブラブラしてたら平積みになっていたので、思わず買ってしまった。
内容は完全な創作で、いつものような歴史的な経緯・解説とか小林氏の持論とかはほとんど無し。
なので、ゴーマニズム宣言とかの文字数が普通と感じる私なんかには、やはり物足りない感じはした。
「卑怯者」ってのは誰の事なのか?
というのがテーマぽいんだが、なんでしょうこれは。
「極限の状況では正気を保てないのも、怯えてしまうのも、仲間を裏切ってしまうのも現代に生きる人間が批判なんて出来ないんじゃないか?」
というメッセージに読めました。
表に出ればほぼ確実に殺されるなんていう状況は、想像は出来ても、その状況で自分が何を考えるかなんてわかりません。
作者はそれを漫画という形で少しでも読者に疑似体験させたかったのかなぁ。
洞窟でのサバイバルな状況とか、現実には描写不可能な想像を絶する状況だったんだろうと思うんだが、なんと言いますか所謂ギャグ漫画出身の作者なので、こう、絵的に必死な感じがいまいち伝わってこないのは残念だったかなぁと。
あとは、後半の鬼気迫る描写は…所詮物語なのかーという感じがしてしまって…。
個人的には、もう10年以上も前?に出ている「戦争論1-3」の方が、今でも胸に来る。
あれは名作だった。
「知らんかったーー!俺は無知だったーー!」と心のなかで絶叫しながら鼻水垂らして読んだ記憶があるな。
勇猛果敢な人も、臆病で逃げ惑う人も、みんなそれぞれ勇気を振り絞って戦ったんだろうと思う。
その人達のおかげで今の自分、今の時代、今の日本、今の世界があるというのは重々承知。
今も沢山の人たちが、日本に帰れぬまま遠いどこかで眠っているんだろうなぁ。
特に自分が何かできるわけじゃなく、これから何か行動に移すわけでもないが、家族と友人と仲間が少しでも楽しく過ごせるように、日々忘れずに。
キャンプとか自転車とか仕事も飲み会も暴飲暴食も昼寝も寝坊も全部全部、それが出来る事を感謝してやるようにしよう。