【羆嵐】吉村昭

Posted by yonezo in 書評 | Leave a comment
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amazonで震災関連の本を探していたら、吉村昭の「三陸海岸大津波 (文春文庫)」って本がヨサゲだったんだが、
さすがに売り切れているらしく手に入らなかったので、代わりに「羆嵐 (新潮文庫)」と「破船 (新潮文庫)」「漂流 (新潮文庫)」を買ったです。

で、とりあえず軽めの羆嵐を読んでみたんだが、ドキュメンタリーという事もあり、
これマジであったことなのかと、ちょっと怖くなりつつ、北海道の奥深さを感じた。

ど派手な羆との格闘とか、奇跡の生還とか、そういうのは無い。
逆に文章だけだと、ともすれば「そんなに怖がる事もないでしょ。」と思ってしまう人もいるかも知れないが、
時代や環境を鑑みて極寒の雪深い辺境の地に生きている人達として想像力を働かせると、
今では逆に体験しずらい本当の闇というものが、いかに恐怖を駆り立てるか伝わってくる。

まぁ普通の感覚であれば、なんの武器も無い集落に300kgを越す巨大な猛獣が人間とか恐れずに襲ってくるとか考えるだけで怖さは分かると思うが。

あと、なんでか分からないが読んでいると無性に日本酒が呑みたくなってくる。
集結した村人達が酒を酌み交わす場面のせいかも知れないが、こういう近現代の日本のドキュメンタリーを読むと、日本酒が呑みたくなってくるんだよなぁ。

吉村昭。読んだこと無かったがもし読んだこと無い人がいたら、オススメします。

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