【読んでみた】間違いだらけの憲法改正論議

Posted by yonezo in 書評 | Leave a comment
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憲政史家、倉山満氏の新書。
安倍政権による憲法改正の機運に「ちゃんちゃらおかしいぜ」と疑問を叩きつける内容。

そもそも現在の日本国憲法(書中では「当用憲法」と呼称)はGHQによって落書き同然に作成された占領時憲法であり、
誤字あり矛盾有りの出来損ないである、という所から始まり、「当用憲法は、もはや変える必要が無いほどデタラメな運用ばかりしている、だから、そんなものをじるより、他にやるべき事がある。」と言い切ります。

第2章の「あるべき天皇の規定」では、天皇が日本の中心であり、憲法論議の本質であると言い、天皇とはどういう存在であるか、過去に起こった日本国存亡の危機において、いかに天皇が「最後の砦」として存在したかという説明があります。

別に右寄りと言われても構わないが、なるほどと唸る内容だった。
子供に「天皇とか皇室って必要?」って聞かれて、明確に説明するのはなかなか難しい。
ただ、日本に天皇がいなかったらどうなっていたかと考えると、やっぱりあって良かったなと思うんです。

戦争で原爆を落とされ、もう駄目だとなった時に終戦の決断ができたのは、ただ天皇陛下のみだったという事。
2・26事件で政府機能が麻痺した時に、反乱軍の討伐を決定したのも天皇陛下であるという事。

もう誰にも決められない、総理大臣でさえ決定できないという事態がある。
そういう国家的危機で最後に判断を仰ぐことができる存在が天皇であると。
そして、その決断には、どのような内容であれ従う事ができるという存在。

いろいろ人によって思う所はある話題だとは思うが、素直に虚心坦懐「あぁ、日本に天皇陛下がおられて良かったぁ。」と思います。
また、権威的な部分でも国家元首の序列について書かれていて、「皇帝(天皇)>大統領>首相」となっていて、特に世界最古の歴史を持つ日本の皇室は、どのような権威よりも最高の権威であると書かれています。
そのような存在を自国の象徴として戴く事が出来る日本、日本人というのは、本当に幸せだと思いますね。

また、これ以外にも人権、議会、内閣、司法、財政、憲法と、それぞれのあるべき姿について述べられてます。

憲法という普段意識しない話題だし、昨今の経済問題とは違って緊急の社会問題という感じでもない。
ただ、意識しないだけで、国家の根幹にあたるものがまさに「憲法」であると認識させられる。

日本国家と日本人はどうあるべきか、世界に対して日本というのはどういう国家であるかを示し、日本がある限り国家運営の指針となる文章である。

必読とは言えないかも知れないが、憲法というものがどういう存在で、現状どのような問題提起がなされているかを知るのに絶好の良書であると感じました。

あー、なんという中途半端な書評…、体力が続かないw
呑みながら書くもんじゃないな。

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